平成12年8月25日
東京都三宅支庁
村民の皆様へ
三宅島の災害について


(I) 東京都の基本的考え方
 
  • 都は今後とも、全力を挙げて三宅村の災害復旧復興に努めてまいります。
  • 特別養護老人ホーム入所者及び在宅の要介護者のうち、島内での介護が困難な方については島外の施設への入所などの措置をとっております。
     また、島外に移動されたい方(都内)については、できる限り都内の都営住宅を手当できるように取り計らいます。希望する方は村役場(保健福祉課)に申し出てください。どの方が入居できるかについては、都と村で至急検討します。
  • 自主避難された場合の小中学生の転校先については、各教育委員会に受け入れを要請してあります。
  • このように個々の事情に応じて、順次対応を行っておりますので、現状では全島避難は考えておりません。
  • なお、災害救助法は6月26日から継続して適用されることが決定されております。

(II) 都のその他の対応策
1 健康相談の実施
  降灰によって健康が心配な方々のために、8月25日〜29日に都内から医療チームを派遣しますので、ご相談下さい。詳細は、別途、村内放送でお知らせします。
2 ヘルメットの配布
  噴石への当面の対策として、村民全員にヘルメットを支給します。
3 今後の雨による泥流対策
  東京都建設局の土木専門チームが現地調査した結果、泥流の発生する恐れのある下記の20箇所の沢(北から東へ時計回りで)について、次のような対策を講じています。
間川、川田沢、釜の尻沢、推取神社付近、地獄谷、三七山付近、仏沢、御子敷付近、大沢、三池地区の沢、とんび沢、金曽沢、●穴沢、道の沢、手島牧場から二宮賀山への沢、 榎木沢、伊ケ谷沢、伊豆川、西川

(1) 応急対策として、大型の土のうや大型のコンクリートブロック、ふとん籠などを設置して泥流をくい止めたり、それらを越流してくると考えられる場合は、道路と沢筋の交差する箇所で、泥流を人家のない下流に流れやすくする工事を実施しています。
(2) それらと並行して、本格的な復旧工事に取りかかっていきます。内容は、既存の砂防ダムに積もった泥土を取り除き機能を回復されたり、新たに砂防ダムや治山ダムを設置していきます。本格的な復旧工事のためには、民有地を提供していただかなければならない場合があります。適正な価格で買収いたしますので、村民の安全のためにご協力ください。
(3) 既存の土捨て場が満杯です。海洋投棄はできません。そのため、新たな土捨て場を確保する必要があるので、村民の皆様のご協力をお願いします。
4 応援部隊の要請
(1)村の要請があれば、必要に応じて都は、消防庁のレスキュー隊、警視庁の機動隊に派遣を要請します。また、自衛隊にも、必要に応じて派遣要請をします。
(2)建設省、気象庁、都及び学者からなる「伊豆諸島土砂災害対策検討委員会」を派遣します。
5 避難対応の強化
(1)様々な学者の見解がありあすが、都及び村は、気象庁及び「火山噴火予知連絡会」(事務局は気象庁)の公式見解に従って判断します。 なお、29日には、「火山噴火予知連絡会」井田会長及び気象庁の方が来島し、直接村民の皆さんに説明を行います。
(2)噴火が起きた場合は、即時に三宅島測候所から連絡が入ります。その場合は、噴石に備えて堅固な建物に避難してください。
(3)泥流対策は当面の応急対策となりますので、避難を行いながらということになります。新たな降灰に伴い、少しの雨でも泥流の発生する恐れがありますので、十分注意してください。  当面、気象庁から大雨注意報が出された時点で、次の内容で避難勧告・指示をすることを村に提案しました。

避難指示 伊ケ谷地区(全地区)→三宅中学校
避難指示 阿古地区の一部地区(地区は村からお知らせします)→阿古小中学校
避難勧告 阿古地区の上記以外の地区→阿古小中学校
避難勧告 伊豆地区(全地区)→三宅小学校
避難勧告 神着地区(全地区)→勤労福祉会館、神着老人福祉館
避難勧告 坪田地区の一部地区(地区は村からお知らせします)→坪田中学校
自主避難 坪田地区の上記以外の地区→坪田中学校

* 自衛隊の皆さんご苦労様です
 以下の作業内容で都と村と自衛隊の3者で取り決め、約35名の隊員の皆さんが作業に従事しました。
(1)泥流等の発生により人名及び財産に対する被害が特に大きいと予想される箇所の土のう積み作業等
(2)高齢者等の民家(屋根)の火山灰の除去
 現在は約80%位作業が進捗しております。任務が終了すれば、いったん帰隊することになります。
 今後、必要に応じて、再度自衛隊に派遣を要請することもあります。
この内容は、島外にいる村民の皆さんにも、お知らせください。