要 望 書 平成12年6月26日、地震災害発生から噴火災害、三宅島全島民の島外避難と、三宅島噴火史の中での 持筆される重大事態に際し、対応すべき諸課題に日夜奔走、ご努力されている事に対し、心からの敬意と 感謝を申し上げます。 さて、私共、花卉生産者グループは、三宅島農協レザーファン生産部会、認定農家グループ、営農研究 会等が合同して会議を開催し、意見集約を行なった結果、下記の事項について事情ご理解の上、ご配慮を 賜りたく、書面により要望いたします。 記 1. 三宅島特産の各種作目のうち、貴重な遺伝資源の保全を目的に、三宅在来種(赤芽芋、 アジサイ等)及び新品種の系統種(ドラセナ、レザーファン、百合等)の島外持出しの早期実施と 種苗の保全、増殖にご配慮をお願い致します。 (理由) これらの種苗は他の地域、種苗会社には存在せず、現在三宅島に放置されている元株がガ ス等で枯死消滅すれば、二度と入手出来ない貴重な親株であり、少々の困難、危険を冒して も、農家代表と行政の専門職の協力により、島外持ち出しを急ぐ必要があるので宜しくお願い 致します。 2. 農地降灰除去の事業の実施方法は、土壌及び植栽の保護を優先した工法でお願いします。 (理由) 降灰除去の方法は、有機質の豊富な表土を保全して、除去後の植栽を円滑に有効に利活用 出来るようお願い致します。 3. 農業用水の供給確保について、特段のご配慮をお願い致します。 (理由) 施設園芸の復興に、農業用水は不可欠であり、災害復旧工事の推進段階で、この供給が求め られます。復旧計画の中でも優先して対応をお願い致します。 4. 園芸施設の再建や建設のための農業復興関連事業を実施する際は、被災農家の負担を出来るだ け軽減し、すみやかな経営再開を促すよう、ご配慮をお願い致します。 (理由) 噴火災害による各種農業用施設被害は甚大で、被災農家がこの復旧を自己負担で行なう事 は資金的に過重で、今後の再建を考慮する最大のネックとなっている。特に泥流に押しつぶさ れた畑の被害は最悪であり、被災したハウスの除去、再構築等、全てが個人の労力、資金と もに、限界を超えています。 5. 帰島から生産物の出荷再開までの間は収入の目途がなく、帰島後の生活に大きな不安があるの で、農家の生活安定を図るための施策を考慮していただきたくお願い致します。 (理由) 降灰除去や、ハウス等、復旧事業等の作業に従事する事での、賃金稼ぎが配慮された事業 方法を取り入れるよう、お願い致します。 平成12年12月17日 ≪要請者≫ 三宅島農業協同組合 代表理事組合長 奥山 彦一 三宅島農業協同組合 レザーファン部会々長 築穴 辰雄 三宅島認定農業者協議会 会長 佐藤 利吉 三宅島営農研究会 会長 山田 和也 提出先