牛ですんだからいいのだ
次は・・・・・・


26日に撮影された雄山中腹の村営牧場で撮影された画像を提供していただいた。
死んだのが牛でよかった。もちろん所有者の農家にとっては大きな打撃となる。
いずれにしても、現地から報道機関を通じて出てくる情報は少なすぎる。

不必要に不安をあおろうとは思わないが、この画像を正視できる人がいるだろうか?
現在もなお避難指示地区、有珠山噴火のc1地域に酷似している。

文責・有珠山ネット冨田きよむ

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ウサギ小屋。
ニワトリの声がしていたという。

撮影者のレポート
25日の船で現地入りしました。シャベルなど除灰作業の道具を持参する人が目立ちました。
三宅島に接岸した時点では曇っており、この状況では山入りは無理かなと考えていました。
6月28日に来島したときは無料バスでしたが、今回は410円払って阿古の鉄砲場で下車。
第一の目的である都道のクレーターの場所を探すために伊ヶ谷方面に歩き出したのですが、
もうクレーターは存在しておりません。阿古から山道に入ってすぐのカーブと、産廃近くで
パイロン(円錐標識)のある場所を通りましたが、まさかと思っているうちに伊ヶ谷の集落に
出てしまい、あそこだったのかと歯噛みする思いでした。少なくともわたしはその着弾点の
学術調査が行われたという話を聞いていません。
掲示板でも場所の特定が混乱していたように見えます。これではまるで証拠隠滅ではないか。
通行の妨げになるのなら、鉄板でも使って現状保存すべきではなかったのでしょうか。
もうだいぶ晴れてきました。伊ヶ谷から見えるという亀裂を確認しようとしても逆光で見えず、
そのまま伊ヶ谷林道に入ります。通行止めの柵などはありません。標高300mあたりから倒
木に遮られて車輌の通行は出来ませんが、歩きならくぐって通れる程度です。先人の踏み
跡が続いている。噴石が目立ちます。
310から320mあたりの右カーブに大きなクレーターを発見。崖上の樹木の折損から飛来方向を
確認し、さてどうするかと鳴動の有無に耳を澄ませ、鳥と蝉の声にひとまずは安心して進むこ
とにしました。
倒木も途切れ、環状林道に合流する出会いに柵が置かれています。通行止めの表示が環状
林道に向いている。一休さんじゃないが、これで立ち入り禁止の場所を出たわけだ。
牧場方面に右折する。クレーター、ころがる噴石の数はただごとではない。また大クレーター発見。
ここでやっと鉱物ハンマーを出してスケールを取ることが出来るようになった。
牧場が見えはじめて、死臭が漂ってきた。やはり牛の死体である。道沿いの斜面にニ体確認したが、
道の海側の、例のつぶれた牛舎の方から上の牧場に駆け上がろうとして力尽きたように見える。
ニ体とも道路に割れたヒズメを残していた。大きな外傷は確認出来なかった。
牧場内にもう一頭、カラスが群がっていた。
牛舎はもうどうしてこんなになったのか理解できないほど内部は滅茶苦茶な有様だ。
壁面が雄山側に倒れているのが不思議に思えたが、巨大噴石が舎内で爆発的に飛散したのだろうか。
やや進んで、ふれあい広場の案内板で畜産展示場の場所を確認して構内に進む。先人の足跡は
見当たらないようだが、あまりの惨状に見落としていたのかもしれない。トイレはほぼ無事ではある。
その先のふれあい小屋はすごい。屋根にクレーターが見える。中央からの噴石でここも内部は大混乱。
それでもどこからかにわとりの鳴き声がする。休憩所の屋根を突き破った噴石は、なんなく梁を貫通し
ている。
ここからやや上ったところが展示場跡らしいが、降灰に覆われたためか、蟻地獄のような大クレーター
だらけで、開けた場所ゆえになんとも心細い。展示場はひな壇のように小高くなった場所にあり、きわめて
小さな建物だった。山を背にした側に炭化した柱材が若干みられたが、火砕流の痕跡は見られない。
プロパンのボンベの所在は不明ながら、火元は自動販売機からではないかと、焼け具合から推測した。
早々に退散して環状道に戻る。阿古林道から下るつもりで先へ進む。シャッターのついた小屋があり、
屋根の縁が破損し、そばに大クレーターがあったが、このあたりもクレーターだらけである。
阿古林道に至り、最初はあまり噴石も倒木もなかったので、ずいぶん違うもんだなあと思っていたら、まず
倒木の密集地帯が出現、やっとの思いで抜けるとすぐに崖崩れで完全に道がふさがっている。
なんとかクリアして、阿古の溶岩流の見える場所で、ぶち抜かれたガードレールを最後に、噴石は確認
出来なくなった。なだらかだが、長い距離を下って、都道に出た。林道から林道へ。所要時間4時間の
行程であった。

村営牧場にて 画像を見る限り、外傷は見えない 噴石被害か?畜産展示資料館 牛でよかった・・・・


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