「岡田教授との会談」●岡田教授  ◎島魂

岡田教授との会話を一部抜粋して私見を交えながらレポートします。
島魂 ◎まずは、名刺交換からはじまった。
岡田教授はテレビで拝見したとおりの、物静かな中にも どこか熱いものを
感じる人だった。

◎「私たちは火山学者と会う機会があまりない。北海道で開かれたフォーマルな 説明会もない。予知連は「まるっきり分からない」と言う。私たちは、どれくら いかかるのか分からない。
覚悟する判断材料になるような話をしていただければ?」 と切り出した。
岡田先生はニヤリと笑って、少し間をおいてゆっくりと話し出した。
岡田教授 ●「これは難しいな。たぶん、答えられる人はだれもいないでしょう。
ガスが出てから、大きな爆発はない。どの程度ガスが続くのかという問題と、
これ以上まだ悪いことが起こるのか。
一番いいのはガスが少しずつ弱まることで、止ま るのは良くないことでしょう。」
島魂 ◎有珠山でも一回止まったことがあるそうで、その翌日には再び爆発を起こし
今に続いているという、有珠山の場合は大事には至らなかったようだが、
三宅島の場合、これだけ大量のガスがでている中で、急にそれが止まることの
未知数は計り知れないものがあるのだろうと実感した。
岡田教授 ●「その傾向を見るにはそんなに短いものではないです。
一年くらいの間で少し ずつガスが減ってくる。その傾向が出てくれば、
帰れるという状況は十分可能で すね」
島魂 ◎お?一年でとりあえず帰れるんだ・・・と思ったのもつかの間、 岡田教授の話は淡々と続いた。
岡田教授 ●「赤外線や目視くらいしかできませんが、火口底の様子を見てですね。
また、もう一つの問題は、帰れることになっても全員が一緒に帰れるわけではない。
三宅島には一周道路がありますね。これが大きな問題。あまり道路網がやられていない、 やられる可能性がないところは割合早く帰れると思いますが、一周道路 全体を 確保するのに時間がかかるのではないでしょうか?」
島魂

◎やはりそういうことか・・・
これだけ未知数なことが続いているのだから当然といえば当然なのだが
今現在の観測態勢が、どこまで整備されてどれだけのデータが取れているのかなど 我々にはなんら知る手だてはない。 なぜ、気象庁は有珠山の時と同様に、
住民説明会やフォーマル
な説明会等を 行ってくれないのだろうか、観測データの
公開をしてくれないのだろうか、 疑問はつのるばかりだ。

岡田教授 ●「コークスの山でできているような山ですよ。川、沢は必要なかった。
今回そ うではなくなりますから。そこにに新しい変化があるのか。
谷がどこにあるのか、 どこ に橋をかける必要があるのかを調べる必要があるでしょう。 ただ、火山砂防は日本の最も得意な分野です。
一級河川なら国直轄ですし、一番 いいのは、建設省に直轄砂防やってください。ガスが止まったときにすぐ始められ るので今から調査してくれ、と言っておいた方がいいと思います。 まずは一周道路を確保することを考えておいた方がいい」
島魂 ◎これは今はまだ無理だろうと心の中でつぶやいた。
現に、災対本部でも雄山環状林道までやっとの思いで入っていると聞く、
果たしてそんな中で、泥流や砂防関係者がまともな観測ができるのだろうか?
今まで三宅島は川のない島だった、降った雨はそのほとんどが山を下るうちに 浸透し地下水となってしまう、残ったわずかな水が沢をつたわり海へと下る。
その自然形態がすべて変わってしまった・・・・
岡田教授 ●「今までは火山砂防なんてほとんど必要なかったんです。
大島で、溶岩流を止めるダムを造ったみたいですが。
しかし、コークスに土砂がつもると、目が詰ま り、流れがせき止められ、わっと大きな泥流が起こる。 土石流は三宅では起こるでしょう。
土石流については今までに最悪のことが起き たと思わない方がいい。
どこが危険か見極める必要があります。
だから、川の新し い位置を調べておくべきです。 本当に調査ができているとはとても思えません。細かい火山灰がたまっ て、わっと流れ込む。土石流はかなり落ち着いてからどっと来て被害が出ますか ら、油断してはいけません。」
島魂 ◎「雨は降って道は決まったから。もう大きな泥流はない」と都は言います。
しかし岡田教授の話では、これからが始まりのような気がしてきた。
実際、前回の有珠山の噴火の時は一年後に土石流が起きて死傷者がでたという。 今の調査段階で島に帰れるとしても、果たして安心して復興に入れるのだろうか?
現段階で島に入って土石流対策としての砂防ダムを造ったとしても、そのダムで どんどんでてくる土石流や泥流を止めることができるのか・・・
先が見えないというなら、例えば3年という期間をおいて、このまま流れるだけ流してしまった方がいいのではないかと私は思う。
その中で確かに被害は拡大するであろうが、人的被害が起こりうる状況の中で 復興対策の一環としての砂防ダム建設をする必要があるのか、 はなはだ疑問である。
その費用を、現在避難している島民の為に使うべきではないか、 このまま放っておいたら、自営業者をはじめとして島の経済を担う島民が どんどん島から離れていってしまわないだろうか・・・ 帰れるとなったときに何人の島民が残っているか、それだけが気がかりでならな い・・・
岡田教授 ●「まだどうなるか、ちょっと分からない。まだ山に元気があるとすれば、溶 岩が上がってきて、溶岩湖みたいに上がって、ある程度上がると、噴火。
あるい はある程度上がって麓で破れて溶岩流が出て終わるというのが一般的ですよ。マグマ を使って終わるというね。ただ、今の状態ではそういう状況ではない。
ただ、ガスは少しずつ減っていく方向になってくるとは思うが、それが目に見え る形になっていない。 それよりも、今は住民の代表でもいいし、自治会役員とか半公的な人、準代表の ような人たちをヘリに乗せて、人家の回りを低く飛ばせるんですよ。
これをやると ものすごく助かる。初めから言った。
なぜかと言うと、見せると、次の対策が打てる。見せないで終わってからちゃんと国が調査して評価すると、何もできない。
そのしわ寄せは全部住民に来る。それはダメなんですよ。たとえ事故があってもしょ うがないですよ。」
島魂 ◎今、三宅島住民が一番知りたいのがここなのである。
先日、役場の職員が各家を写真で撮り住民に対して閲覧という形で 役場に写真をおいてあるが、写真ではわからないのもが絶対にあるはずだ。
写真の中に写っている家のすぐ近くまで泥流が来ているのかもしれない、 家に行く途中の道がなくなっているかのしれない・・・
そんな不安を少しでも解決できるような対策を立ててもいいときではないかと 思う。
岡田教授 ●「もう要求した方がいい時期だと思う。火山学者や作業員らが入っているのだ ったら、十分な時期だ。そのときは、代表取材でマスコミを一社入れること。
話は変わるが、マスコミがだらしなかった。雲仙の轍を踏まないため、有珠では 国が言うとおり、マスコミは規制に従った。消防団員が入っているのに、住民がも のを取りに行っているのに、マスコミは入れなかった。
あれは報道機関として絶対間 違っている。マスメディアの役割がある。我々が取る写真とは全然違う写真がある。 それが意味を持つんです。」
島魂 ◎これも今回の三宅島には十分いえることではないだろうか、 マスコミが入っていながらも、報道規制に阻まれ本当の三宅島を見せてはくれな かった、噴火の恐ろしさを伝えてはくれなかった、そこで生活することを続ける ことを余儀なくされた住民の苦渋の選択を表面的にしか写してはくれなかた・・・
岡田教授 ●(一時帰島に話を戻して)リスクをどうマネージするか。リスクは全体的な総合的なリスク=地域の物理的リスクて、入域人数を減らして、できるだけ山頂に行かないで、 リスクを落とすわけですが、国はやりたがらないですね。国は常にオールクリア を待つものです。すると何もできないですよ。
火山学者が安全宣言を出したためしなどない。 社会的な安全宣言と火山の安全宣言は違う。社会的なものとは別だ。絶対ということを聞いている わけではないです。
その前に住民の生活ができるのかを聞いているわけで、どういう 強さで噴火があるのかを説明してくれればいいわけで、そのときに行政が判断すれば いいわけです。そのとき、住民の要求をどう反映させるかなわけです。
島魂 ◎非常に矛盾を感じるのは、気象庁が、予知連が、伊豆部会があり、・・・・
岡田教授 ●「その話ね。災害対策やると言っても、日本には組織が実はない。
そのたび に違うやり方をしている。日本では法律的には災害対策は国土庁が所管。だが、 調整官庁。実質的には何もできない。たてわりを采配することしかできない。
ゆっく り物事が進んでみんなで話し合って意見が一致するときは、非常に強力だが、それで は災害のときは間に合わない。それでなく、決断しななきゃいけない。
米国ではFE MAが担う。米国のFEMAはここの官庁をを超えた力を持つ実施官庁。災害は戦争 と基本的に同じです。実施官庁だから、人を派遣する。」
島魂

◎三宅村は近年のデータでは約20年に1回の割合で噴火をする島である。
そのことがわかっていながら、そこで暮らすことがわかっていながら なぜ、防災関係機関がなかったのか、それが不思議でならない。
17年前<昭和58年>の噴火が終わって復興に入ったときに、既に20年後の 噴火を予想しておくべきではなかったのだろうか・・・ 三宅島には避難所がありません、何年か前に三宅支庁に食料や防災用具<乾パン や毛布等>を備蓄するための倉庫がやっとできたばかりである。 どこから噴火するのかわからないのは当然である、ならば過去の噴火形態を研究 しある程度の予測をたてて何カ所かに避難所を作ればいい、普段は公民館やその ほかの使用目的をもってすれば安易なことではないだろうか。 その時に防災会議や防災課を同時に立ち上げることがなぜできなかったのだろう か、今後避難生活を送る中での課題がまた一つ見えたような気がした。

◎東京都の出先の三宅支庁長なんですよ。今、先行きが見えないですよ。 何年くらいは、という目安を出してくれ、と言っているが、出てこない。 三宅村も一緒・・・先生ならどうしますか?

岡田教授 ●僕なら、年内に住民代表に見せる。風上に見張りをはり付けて、ちゃんと観測をして、反対側の集落を見せる。年内にもその程度のことはできる。
何回も人が入っているわけでしょ。ヘリなら安全ですしね。短い時間でしょ。
少人数で最短時間 で見せる。それはリスク管理上も今、できるんです。
災害対策室が入っているのだか ら、それができるようになった段階でできるようになっている。  それから、長期的にはガスの傾向を見なければならない。
今までの観測だと分から ないが、若干減っている可能性があるわけです。となると、何年後じゃなくて、とり あえず一年後ですよ。そういう方向で進むか判断できるようになる。これから一年と いうことです。
島魂 ◎今、我々島民がこの先長期化することを覚悟する上で一番必要であると感じて いることを岡田教授もそうだといってくれた。
ライフラインの維持の為の作業員が現地に入っている、にも関わらず何故我々一 般島民は、一時帰島すら許されないのだろうか・・・
きちんとした装備で、しっかりとした計画を立てることで今後、近いうちに 一時帰島することを検討していただきたい、予算やその他諸々の事情があるでしょ うが、まずは島民のことを第一に考えていただきたいと切に感じた。
北海道ではそれが当たり前のごとく行われているのです。
岡田教授 ●三宅島は山頂噴火になったとき、ヘリが飛んでいなかった。それが信じられな かった。なんで同じく国なのにこんなに違うのか。
三宅の場合は、山頂噴火にも かかわら ず、国のヘリが飛んでいないかった。おかしい。気象庁が緊急火山情報を出さなかっ たことが原因ですよ。
臨時火山情報でも警戒が必要などという言葉を使わなかった。 縦割りの弊害ですよ。だれも死んでないでしょ。それで満足しちゃったんですよ。  
有珠では自衛隊が入って、取ってきた情報をすぐ出した。住民はそのビデオを見て いた。三宅は情報の出し方が間違っている。
有珠の場合、自衛隊はやれる自負を持っ ていて満足している。自衛隊もステータスを感じていると思う。ぼくはこっちでやっ たことが標準で、東京ならばそれ以上やっていると思っていた。国の災害対策は場当 たりなんですよ。
島魂 ◎なぜ緊急火山情報を出さないのか、疑問があるのですが。
岡田教授 ●絶対説明しないでしょ。本当は気象庁は説明責任がある。なんで出さなかっ たのか。そういうことを説明責任があるんですよ。
間違っていても構わないですよ、 それでもちゃんと解説しないと。
緊急火山情報は、明確な規定がないまま、ここまで 来てしまった。
そういうことがちゃんとできるようになってもらわないと困る。出さ なかったために、縦割りの組織が機能しなかった。
だって、山頂噴火の場合、上から の観測しかないんだから。ヘリが飛ばないと、いつでもやれる状態になっておくべき ですよ。
島魂 ◎ここでも今後、我々がやるべきことが見つかった。
気象庁に対して、説明を求める要望書を出すことである。
このまま、例えば避難生活が終わって復興に入ったならば、 みんながその事を忘れてしまうだろう、いや、今現在でもすでに 忘れてしまっている人の方が多いのではないだろうか? なんら疑問に思うことなく、自分の生活を支えることに勢力を傾けている 間に、過去のものになってしまっているのではないだろうか・・・
三宅島住民は、あの2ヶ月を決して忘れてはならないのだ、 「島を捨てる気ですか?」と言われたあの言葉を決して忘れてはならないのだ、 噴火と地震と泥流、土石流。そして火砕流と、あの恐怖にさらされながら 過ごした2ヶ月間を取り戻すためには、気象庁がなぜあの時緊急火山情報を 出さなかったのか、そして最後まで緊急火山情報を出すことなく全島避難に至っ たのか説明を求めることが絶対必要であると感じた。
岡田教授 ●研究だけじゃだめで、行ったら報告しなさいということをやり切れないんで すよ。
写真とビデオをいつでも住民がみれるということになってないと。
理系の人た ちは自分の関心の中に埋もれていたいものです。特別ミッションで低く飛んでいない でしょ。 しかし、有珠でできるのに、なぜ東京でできないのか。
島魂 ◎有珠では出来て、東京都に出来ない・・・
これは未だ持って謎ではあるが、私が思うに防災意識の違いではないだろうか。
大自然に囲まれて、常に自然と向き合って生活しなければならない北海道と、 関東大震災以来、これといって大きな自然災害に見舞われたことがない東京都との 防災に対する意識の違いは大きなものがあると思う。
今、関東大震災クラスの地震が来たら、間違いなく東京は壊滅状態になるだろう と思うし、その時になって今の三宅島と同じ対応をしていたら絶対に間に合わな い。
果たして都はその時に「東京都を捨てる気ですか?」と自らに言うことが出 来るのだろうか・・・・
岡田教授 ●しかし、三宅の場合、何で伊豆部会が所管のはずなのに井田先生ばかり出るの か。おかしいですよ。
島魂 ◎この先生に会えというのはありますか。
岡田教授 ●まず、I部会のW先生に会った方がいい。ここにいた先生ですから。彼はT大学。T大名誉教授のA先生なんて一度会った方がいいでしょうね。
それから、予知連に出ているS大のK先生。この方は気象庁批判が非常に徹底している。  
ガス専門H先生。K先生は名誉教授で、H先生の先生ですか ら。今回の対応にいきり立っているそうです。
T調査所のK先生もガスが専門です。このあたりに聞けば、わかるでしょう。  それから大事なことは、こういう災害は結果論として専門家を育てる。
はじめから対応できる専門家はいない。そういう風に思っておいた方がいいですよ、何だかんだ 言われ、圧力を受けて苦しんで、といううちに研究者も育つ。神様みたいな人がいる わけでないから。  
予知連に地元自治体の関係者が出るということも意味がありますよ。  
岩手山では、県の防災課の職員と、災害情報ネットワークの中心になっている斉藤 岩手大学教授がオブザーバーとして出席しています。これは大島の噴火の後、自治省 がオブザーバーとして参加したのが始まりのようで、以後、そういう流れになってき ている。
島魂

これは大島の噴火の後、自治省 がオブザーバーとして参加したのが始まりのようで、以後、そういう流れになってき ている。 今回の岡田教授との会談での大きな収穫の一つに上記の先生方を教えていただい たことがある。
しかし、ただ紹介していただいたというだけで、今後そういった 接し方をしていくかは我々にかかっていると思う。 まずはお会いして話を聞くことから始めなければいけないのだが、我々庶民がい きなり連絡を取り、そして果たして会っていただけるのだろか? ここでも、行政とのつながりが絶対に必要であることを痛感した。 行政を窓口として上記の先生がたい説明会や現地の状況の分かるレポート、 そして、観測データの公開などを推進して行くべきではと思った。

◎三宅島でこれから起こる可能性としてはどんなことがあるのでしょうか?

岡田教授 ●いろんな可能性がある。わからないうえで、今、思いつくまま挙げてカバー できるか分からないけど。何を見ていれば分かるかは分かる。
・溶岩が出てくれば、溶岩湖になり、溶岩湖が上がってくる。火口まで上がって固  まって止まる。ハワイでよくある。
・上がってくる段階である程度高い所まで来て、破れて溶岩流が出て終わる。ドーム  が出て終わる。基本的にそうなれば、終わる。溶岩が地上に出るとすればそう  して終わる可能性が高い。
・マグマ水蒸気爆発が起きて、溶岩流が流れ出る。
・それから、最悪の可能性としては溶岩が火道に入って爆発的な噴火。それは地震が  起こるとか、大げさなことが起こるはずで、これは非常に確率は低い。
・それから、このまま。このまま、じっくり固まっていく。今はこれがもっとも期待  感が高いでしょう。あとは時間的な問題で、どの程度の時間でだんだん減って  いくかということですね。
島魂

◎本当に、より具体的に説明してくださったことに感謝します。
今まで、こういった説明がなんらなかった中で、今後、遠くから 三宅島を見つめるにあたって自分の中で心の中での整理が少しだけ出来たように 思います。

◎このまま、ガスを出し続けている止まらないまま、落ち着いた状態になって しまうということはあるんでしょうか?

岡田教授 ●壮瞥町や森町には役場の職員で火山学会員がいますよ。だから説明もしやす い。マスコミだって同じですよ。何人かそういう人がいると助かる。  
世の中には今の三宅ほど火山ガスを出し続けている山はありません。
過去にもな い。長くは続かない。これが何年もかかるということはない。
だから、一年様子を見 れば、だいたい傾向は見えるだろうなあ、ということです。
島魂 ◎今現在、3カ月たっていつのに長期的対策をとられていないのは、異常だと 思いますか。
岡田教授 ●ぼくはね、一番頭に来ているのは、地方自治の基本方針を東京都は全然分 かっていない。三宅の人たちを大都会に溶かし込んでしまったことです。
あの政策は 明らかに間違い。あれをきちっと反省してもらわないと困る。
初めから仮設をオリン ピック村に建てれば良かったんですよ。そのために国があるんですから。1年か2年 で帰れるんだから、それまでやればいいんだから。
ちゃんと地域性を維持して、みん なががんばろうとやれればいいんですよ。
それが近代国家のやり方。子どもを取り上 げて、あれは一カ月しか持たないことはイロハのイです。だれでも分かることなのに。  
思いやりある政策がない。そうじゃなくて「いかにもやってます」なんて顔をし て、絶対話違うぞ。炊き出しだって自分たちで作ればいい。材料さえあれば自分たち でやりたい、それが住民の感情なんですよ。壮瞥町では公共施設が避難所となること が分かっているから、そのためのクッキング施設が設置されています。ここの避難所 にはこの地域の人が行く、と決まっている。すばらしいですよ。
島魂

◎最後のこの言葉が一番強烈だった・・・
行政批判とかなんとかの次元を遙かに越えた一言だったと思う。 北海道という三宅島からも東京都からも遠く離れたところにいながらも 今の三宅島を一番よく理解していただいてるのは岡田教授ではないだろうか。
決して過大評価ではなく、本来誰もが気がつかなければいけないことを ズバッと言ってくれる。こういった人が三宅島にもほしい・・・ こう思ったのは青山さんも一緒だったろうと思う。 今回の三宅島の全島避難の形態は三宅村も含めて、東京都の失策といっていいだ ろう、失策は失策として今後の対応を住民第一で考えていただけるようにお願い したい。 そして、同じ過ちは二度としてほしくない、と強く思った。
岡田教授、そして今回の有珠山訪問でお会いできた方々のお話は、今後我々が 避難生活を送る上で非常に有意義なものになったと思います。 お忙しい中、我々のために時間を作っていただいたことに感謝します。
この場をお借りしてお礼申し上げます。 本当にありがとうございました。

最後に、温泉小学校で太鼓をたたいた後に子供たちにサインを求められました。
<こんなこと初めてなんでとまどいましたが・・・> そこに、私はがんばってねではなく「”一緒に”がんばろう!!」と書いてきました。 有珠山も決して終わったわけではありません。 ともにがんばりましょう!!


                             レポートby飯沼