一時帰島の報告(神着)

10月3日早朝4時過ぎ、まだ薄暗い三池島に接近。雄山のすぐ上にほぼ満月
の月が出ていた。
5時少し前、三池港に着岸。消防車、パトカー、バスなどの車両とたくさんの職
員が迎える。
すぐに一番遠い19班からバスに乗車。

<行きの都道の様子>
三池付近は都道にも泥流後が見られ、山一面が赤茶色。「三池は真っ赤だ」と
の声があがる。
三七沢は8月下旬と変わらないが、道路がひび割れて痛みがひどい。
椎取神社の鳥居は上の柱だけがかろうじて見えていた。
釜の尻の沢は泥流が通ったらしく、都道沿いの建物が壊れかけていた。
一番ひどいのは清漁さんの近くの山側のお宅で、泥で半分が埋まっている状況
であった。同乗のみんなからも、「あい、あい...」という悲痛な声が漏れた。
神着の交番が少し傾いているという話だった。「ほんとだー。」という声が出たが、
バスが速かったのでよくわからなかった。

<自宅の様子>
家の周りに泥がたまっていた。昨年8月には無かったと思う。
家の中はイタチが走り回ったらしく、フンがたくさんあった。ネズミのフンはなかっ
た。ゴミ箱に入れていたピーナッツが辺り中に巻き散らかされていた。
台所のカップ麺などの数袋が破れ、中身は無くなっていた。
冷蔵庫のそばにビニル袋に入れていた野菜が真っ黒になり、袋も破れて床に流
れて出していた。冷蔵庫は怖くて開けることができなかった。
衣類は一度手を通したものはカビが生えていたが、そのほかのものは大丈夫だ
った。

<付近の様子>
私の住居は西川橋のすぐ横だが、駐車場にしていた庭が無くなっていた。今まで
あった桜の木も消えていた。西川橋を泥流対策で掛け替え工事するための仮橋
を通すため、横の庭から、隣のAさん(民宿Bの向かい)の庭にかけて道路
が通ると言うことだ。家の周りの様変わりに驚いた。
家の周りからはカラスの鳴き声や小鳥のさえずりも聞こえ、もう住めるんじゃない
かなと思った。

<帰りの様子>
雄山からは800メートルの噴煙が上がり、昨年の8月と変わりない様子であった。
同乗の人たちも雄山が見えるたびに、「わー、元気なんだな」と声を上げながら写
真を撮っていた。

<感想>
警視庁や役場の職員の方たちが万全の準備をし、手際よく実施してくれたことに
感謝します。最終班なので、今まで帰島した方々のお話で、宅配便の出し方や持
ち物、注意点など参考になりました。ありがとうございました。

小笠原康夫



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