神着、利八屋の持論

雑貨屋が命を支える

 

神着の雑貨屋、「利八屋」の浅沼基(もとい)さんは、

「うちが店を閉めたら、みんな餓えちまうだろ、だから俺は最後まで島に残る」と言う。

ひとにいわれて右往左往するのは駄目だ。自分で判断できなきゃ。

だって、だれが決めるんだい?一斉避難なんて。

おれはね、ずっと、山歩きしてきた。今回だって灰が積もった沢を何度ものぞいてきた。

 

弟さん(右)はもっと山に詳しい。ときどき自称「予知連」の集まりを開く。

 

 

利八屋から見た雄山。車は、島で仕事している人たちが買い物に乗ってきた車。
ここは島の情報センターだ。

 

「大昔の噴火の古い灰や岩が残って、それがまだ流れ切れていない沢が危ない。

新しい沢からも最初の一回は泥流出るけど、流れるのは泥だけ。家は壊されない。

片付けりゃすむことさ。

だけど古い沢は、木や岩を巻き込んだ土石流になって、ものを壊す。

今回積もった灰の量だけ調べても、どこが危ないかわからないんだ。

 

こんなふうに鉢巻道路の下で3べん広がってるような沢は、泥流は出るけど家は壊さない。
こないだ見に行ったけど、すごい量の灰がたまってたよ。

 

ここには、砂防ダムがある。けど、危ないのは、その右(東)の、
まだ昔の泥が底まで流れきれてねぇところだ。
川は流れてねぇから、地図では等高線を読むしかない。
土石流も、こっちを流れる。 泥流も土石流も、一回目で勝負がきまる。
何度も出るのは地獄谷だけだろ。

 

ほら見ろよ、こんな沢は、鉢巻より上から伸びてきて、それより下に泥だめを持ってねぇ。
目だたねぇ沢だが、ここも、危ない。 そんなにたまってるようには見えねぇんだが。

山に植林した後、切り倒した雑木を放置した場所は、それを巻き込んで落ちる。
伊ケ谷とかはそうかもしん。

怖いのは、木だ。

だからねな、伊豆で危ねぇのは、ここだ。

インターネットはね、いざの時に、自分で判断できるようになるための 情報がのればいいんだ。
あまり情報がありすぎて、自分が迷うようじゃ見ないほうが良い。

それより、島、山を良く見ておくことだ。

あとはね、土石流の木や岩が詰まって回りに被害を出す「橋」を、東京都が壊す勇気があるかどうかだね。

 

今度、1/2500地図持ってこい、あぶねぇとこに、全部印をつけてやっから。
で、島のこといろいろ教えてやるから。

でも、すぐ来いよ、それまでもつかどうか、わかないから。

あ、自衛隊が帰るまえに、大久保の入り口の旧道の橋を落としてから行ってくれって言っといてくれ。
あすこはあぶねぇぞ。


基おやじ! インターネットだって捨てたもんじゃねぇんだぞ、おやじの話だってのるんだぞ。
だから 頑固はらねぇで、パソコンぐらい触れ!

それから、後生だから、笑ってねぇで、ヘルメットかぶってくれ。

死ぬなよー。火砕流はしらねぇだろー。

 

それから、行政はまじめに防災地図をつくれよなー。

それぞれの村にいい人がいるぞー。


さすが、商工会副会長!

村上さん談(8月31日)

利八屋から「ビ」と「ワ」と「缶詰」、「焼きそば」、「マルハのソーセー ジ」「お新香」、「お赤飯」を仕入れました。 是非、商工会にご来所下さい。

ところで、「島魂」でも出ている利八や商店の基さんですが、

「この間島の商店には野菜がなんにもねえ。逃げ出せるよう仕入れを 控えてるんじゃねーの」って言われたらしく、
そんなこと無いと言うことで腹立てて、キャベツを100円で安売りしようと大量に仕入れたところ、
18日の噴火にあったと言うことで、夫婦喧嘩寸前でした。 「俺は大久保彦左衛門だ!!」等と訳解らない事言いながら、
私の袋にそっとキャベツ押し込めていました。
さすが、商工会副会長(偉い)!
利八屋には100円キャベツたくさんありますよ!